感想 「1984」

世界は三つの国に分断され常に戦争状態。政府による超監視社会になり、事実は大衆を扇動するためにねじ曲げられる、近未来のディストピアを描いた話。

主人公のウィンストンは、そのような政府の陰謀に気付いていたが、それがばれると処刑されてしまうため、必死にひた隠ししていた。ひょんなことにジュリアとの情事に至るが(それ自体も極刑に値する)、政府側にバレてしまい酷い拷問、洗脳を受けてしまう。最後にはジュリアとの関係も壊れ、政府のトップ「ビックブラザー」を信奉する洗脳が完了してしまう。

 

テクノロジーによる監視社会と扇動が本テーマだ。程度の差こそあれ現代もそれに近づきつつある。様々な思惑により何が事実なのかは不明瞭、人間行動は全て監視•ログされマーケティングに利用され、一個人の些細な行動はSNSで衆目に晒される。巨大な見えない生き物に1人の人間が無駄に足掻くという悲しい現実に生々しく直視させられる。時計仕掛けのオレンジっぽいね