感想「ユニクロ」
宇部の2号展で、アパレル販売とハンバーガーショップ、ダーツバーを併設したお店を展開し、大外れしたというエピソードが印象的。それも何かの勝算があったというよりは、柳生さんのアメリカへの憧れから来ているというから驚き。緻密に情報を集め分析して、ということではなく失敗を恐れずやってみるという一生九敗の感覚を感じたエピソードだった。
感想「三体」
三つの太陽をもつ三体文明と地球人の宇宙戦争物語。三体文明は三つの太陽を持つ惑星のため、非周期な日照により生活が危ぶまれていた。そこに地球という水も日光も安定している惑星を発見し、数世紀かけて太陽系に向かう。
三体と地球は何某かで更新することができ、地球時にもさまざまな派閥や三体文明への抵抗運動が起こる。抵抗運動のほぼ全ては実を結ばないが、ルオジーの発見した暗黒森林理論によって三体文明を迎撃することに成功する。(一部、二部)
しかし三体文明以外にも文明は全宇宙に存在し、暗黒森林理論は無敵の迎撃手法ではなく、文明同士の防衛策の一つではないことがわかる。暗黒森林計画を逆に利用され、地球人は滅びてしまうことが決定する。程心は地球人の文明を何某か残すため、石に文字を刻んだものを残し、滅びる太陽系を後にする。(三部)
話のスケールが巨大すぎる。宇宙の広さ、時間の長さが、地球文明の発展を著しく広げているという点や、地球外生命体との直接的な接触はあくまで起こらず、智子やフォイドなどの技術で遠隔的な接触しかなされないことがリアリティを感じさせる。
ラストの百ページくらいははよくわからなかった。説明がある部分とない部分の差が激しく、想像上の科学的事象を、比喩や言い換えなく表現されることが多いので何が起こってるのかイメージしづらい。
感想「華麗なる一族」
神戸のとある財閥一家の栄枯盛衰を描いた小説。
▼あらすじ
家父長である万俵大介は、財閥を拡大するために我が子に閨閥結婚を強い、一方自分は家の中で不倫女と妻との同衾生活。やりたい放題。
長男の鉄平は鉄鋼会社の専務を務め、仕事に志高く、家庭にも誠実。これがドラマではキムタクが演じる役だ。優秀な後継者に傍目には映るが、大介は鉄平に特別な感情を持つ。それは祖父と妻の子ではないかという猜疑心だ。純粋に息子として愛せない。
大介は、鉄平の会社を貶めることで自身の銀行が拡大する悪策を閃き実行に至る。老獪なだけに見事に狙い通り。鉄平はどん底に落とされ、挙げ句の果て自殺してしまう。
銀行は大きくなり全てを手に入れたようにも見える大介だったが、鉄平を亡くし、その他の息子娘嫁は家を出、長きに渡り事実上の伴侶だった妾とも縁を切ることに。豪邸でぽつりと食事をするラストシーンが、物語の冒頭、家族皆で幸せに食事をしていたシーンと生々しく対比させながら物語を終える。
▼感想
ただただ登場人物全員が不憫でならない(特にキムタクはやばい)。悪人として描かれる大介も、財閥を拡大する呪い、鉄平が自分の子ではなく、祖父と妻の子ではないかと猜疑する呪いがかけられたある種の被害者だと言える。
めちゃめちゃバッドエンド。悪がのさばり、善が挫かれる。世の中って実はそんなもんだと残酷に突きつけられる。
物語の終わり方はゴッドファーザー2っぽい。
感想「罪と罰」
・あらすじ
主人公ラスコーリニコフは、危険な思想を持つ。
(原文まま)『非凡人』は、 ある種の障害を踏み越えることを自己の良心に許す権利を持っている……ただし、それは自分の思想――時には全人類のために救世的意義を有する思想の実行が、 それを要求する場合にのみ限るのです
優秀だが金に困っているラスコーリニコフは、 あるとき金貸しの婆を殺害する。
上記思想により殺害に対する罪悪感は抱いていないが、 呵責や警察の追及、秘密がばれる不安に葛藤し、 精神を不安定にする
結局自首し7年の刑に服すが、ソーニャや家族の愛に包まれ、 刑期を全うしながら希望的未来を期待する。
・感想
罪に対する呵責により最終的には自首する( 僕たちがやりましたに似ている構成)。その呵責期間が罰の要素を帯びるという感覚は非常に共感する。
エピローグの終わり方は少しキャッチーすぎるかな。 罰は終えても罪は消えませんよと。